Vol. 30 「すし教室」を開く

巻きずし

巻きずし

少々話題が古くなりますが、6月の末に外国人対象の巻き寿司のミニ講習会を開きました。

事の発端はといえば、今年の4月のこと。
オウルインターナショナルウィメンズクラブ(オウル市に住む外国人女性の親睦団体)の年次ミーティングに参加した 時のこと。 今年の活動は何をする、という話題になった時、「前回やった『インターナショナルフードフェア』は面白かった」という話から、どうせなら食べるだけでなく 作り方が覚えられるといい、という話になり、なんと気がつけば、「スシは美味しい」「ぜひ作ってみたい」と大盛り上がりに。

フィンランドに来て気がついたことは、日本食というか「スシ」が、当地ではかなり流行の食べ物として認識されていたこと。寿司ブームはとうとう(という か、ようやく?)このヨーロッパの北の端までたどり着いたってことなんでしょうか。
オウル市内にも、実は一軒、寿司バーがあり、結構繁盛している様子。 まあ、ここに来てから沢山の人にお世話になったことだし、これも恩返しのいい機会かと思い、家庭料理で良ければという条件で、すし教室を引き受けました。
(それにしても、私が「その場にいた唯一の日本人」というプレッシャーに耐えかねて「簡単なものなら出来るかな?」と言った途端、「材料はどうする?」 「場所はどこにする?」と即座に具体的な話になだれ込んだのには驚きでした。一体この「スシ」にかける熱意はどこから来たものやら)

準備
日時はまかされていたものの、延ばし延ばしにすると気が重くなるのはわかっていたので、遅くとも夏休みの前あたりを目標に準備を進めます。
(前準備として)
1.メニューを決める
2.参加者に渡す簡単な資料を作る

まずメニューは、一応「作り慣れている(?)」巻き寿司。
幸い、オウルでも海苔、練りわさび、醤油などが、普通のスーパーでも手に入ります。また、中に入れる具は、参加者があとで作ることを考えて、こちらの日本人の方の話を参考にしつつ、また、夫が持ってきた某料理番組のDVDも参考にしながら、ここで手に入るものを中心にあれこれ事前に試した結果、下記のようなサラダ巻き風のものにしました。
・サニーレタス、キュウリ
・玉子焼き
・ツナマヨネーズ
・スモークサーモン
・チキン(レモンと塩胡椒でマリネして焼いたもの)

参加者に渡す資料は、講談社インターナショナルの「日本まるごと事典」(鍋で炊くご飯の炊き方まで書いてある良書)や、「英語でつくる和食」(ナツメ社)を参考に作成しました。

いよいよ開催
場所は、私自身が使い慣れて準備しやすいという理由で我が家のキッチン。
2週間ほど前にメールで参加希望者を募ったところ、早々と申し込みが。場所の広さ の問題もあるので8名で打ち切ったものの、このあともキャンセル待ち希望のメールがたて続けに届いたのには、驚かされました。いやはや「スシ」の威力はすごいです。とはいえ、参加者の期待に答えられるのかどうか、徐々にプレッシャーがかかってきます。
事前にたまたま一人の参加者と話した折、彼女は明らかに 握り寿司をつくるのだと誤解していました。ああ、やっぱり。(ちゃんとアナウンスには「Sushi Roll」って書いといたんだがなあ。それにね、日本の家庭では「手巻き」は作るけど、「握り」はないんですよ~)

当日の様子
多少の懸念を残しながら当日を迎えましたが、参加者に聞いてみたところ、8名のうち、実際に「スシ」を食べたことがあるのは、なんと2名のみ。(そしてこ のどちらの人も握りずしを作るのだと思っていた)
そして他の人は、「一度も食べたことはなく」、私の握りずしと巻き寿司の違いの説明にも当然ピンと来てい ない様子。とはいえ、当初の心配が、いい方に裏切られちょっとだけホッとしました。

さて、一通り説明をした後、早速調理です。
わたしが、一番こだわったのは、「ご飯の炊き方」。炊飯器がなくても、鍋でちゃんとご飯が炊ければ、巻き方はどうでもお寿司は出来るし、曲がりなりにもやるからには、ちゃんと覚えてあとで作ってもらいたい、という気持ちもあります。また、ヨーロッパでは、お米を茹でて、ざるでお湯を切る、なんて調理法もあったりするので油断がならないのです。
中に入れる具の準備をすませ、首尾よくご飯が炊けたあとは、混ぜておいたすし酢をまわし掛け、すし飯の完成。(フィンランドでも米酢が手に入ります)
(余談ですが、調理で一番受けたのは玉子焼きの焼き方。正確にはだし巻き卵なんですが、反動をつけて向こう側から手前にひっくり返す様子が、impressiveだったらしいです。)

お寿司の巻き方は、人によって具を入れすぎるというありがちな失敗はあったものの、ほとんどの人が無難にこなし、20本近くの巻き寿司が完成しました。 具で人気があったのは、サーモン。でもツナマヨネーズも中々好評でした。日本の伝統的な太巻き寿司でないのが少々残念ですが、とりあえず、フィンランドで 出来るものということで勘弁してもらいましょう。
実を言うと、海苔が食べられない外国人も多いそうなので、それを言われたらどうしようと内心冷や冷やしていたのですが、この日の参加者は皆こだわりなく食べてくれて安心しました。

うれしかったこと
終わって一番うれしかったのは、この日の参加者のオランダ人のAさんが、この後早速家で作ってみたといって写真を見せてくれたこと。小学生の息子さんが巻 くのを手伝ってくれたそうで、驚いたことに家族全員が気に入って、また作りたいと言ってくれたことです。
準備や何やらで疲れたけれど、でもやってみて良 かった、ちょっとだけお返しが出来たかなと肩の荷を降ろしたことでした。

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