ここで、いつもお世話になっているオウル市のEFA Project(駐在員家庭適応支援プロジェクト)のAさんへ日頃の感謝を込めて、このプロジェクトの紹介をさせて頂きます。
このプロジェクト自体はとても新しく、昨年10月にスタートしています。研究機関や企業に駐在する外国人が増加する一方で、家族の適応次第で帰国を余儀な くされるケースなどもあるらしく、オウル市が積極的に駐在員の家庭、特に配偶者をターゲットとして支援していこうと始めたプロジェクトと聞いています。
確かに、夫(もしくは妻)についてきた配偶者にも当然慣れない海外生活のストレスがかかるわけで、そこでの成功如何がその駐在を左右すると言っても過言ではないかもしれません。
また、わたし達のような1年ぐらいの予定では、少々旅行者気分でいられても、駐在の長い人では、2年、3年、もしくはもっと長期にわたるわけで、その間、 配偶者自身も地域でのネットワークを持ち、有意義な社会生活を送るというのが重要になってきます。
このプロジェクトの力点も、まず日常生活に慣れるための支援はもちろんのこと、配偶者自身がより良く地域社会へ参加していけるよう、積極的に支援することに置かれているようです。
わたしについて言えば、まず、こちらに来る2ヶ月ほど前に、Aさんから直接わたし宛にコンタクトがあり、このプロジェクトの紹介と、準備段階から手伝う旨のメールをもらいました。(プロジェクトでは、渡航前の準備段階からの支援を謳っており、Aさんは研究所・企業からの渡航者名簿をもとに直接コンタクトし ているとのことでした。)また、着いてからは、語学講座の開かれている施設へ同行してもらい、そこの担当者に引き合わせてもらいました。
とても有難かったのは、こちらに着いて何日もしないうちに、路線バスの乗り方、割安な回数券の買い方、回数券がなくなった時の買い増し方までも教えてくれ たことで、更に念の入ったことに、自宅が近いからと通勤途中に家に寄ってくれ、街まで同行して乗り方を教えてくれました。そして別れ際には、帰りのバスの 乗り場まで。(オウルでは上りと下りのバスの乗り場が結構離れています。)
このおかげで、着いたその週のうちにわたしはオウル市内を自由に行き来出来るよ うになっていました。これは、たぶん、Aさん自身がオウルに住む外国人で、フィンランド人にとっては何でもないことでも、外国人にはわかりにくいこと、つ まづきやすい事が何であるかをよく知っているからだと思います。Aさんには本当に感謝しています。
また、この支援プロジェクトの活動として、外国人のための定期的なセミナーの開催(前回はフィンランドの法律についてのセミナー、4月にはオウル市庁舎で 見学を兼ねたセミナーが予定されています)等や、外国人女性の親睦を目的としたOulu International Women’s Club の主催があります。
このクラブでは、参加しているメンバーが分担してスポーツやハイキングを企画し、ときにはメンバー自身が講師となってセミナーや講習会 をしています。わたしも早速昼食会やクロスカントリーのミニツアーに参加させてもらいました。才能あふれる様々な国の女性達に交じりながら、いつかは私も 何か恩返しをしなくてはと思い、でも一体何が出来るのか?目下思案中です。
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Vol. 25 「日本の家」へ行く
Vol. 36 再び「日本の家」へ行く(1)
Vol. 37 再び「日本の家」へ行く(2)
(追記)
このプロジェクトの広報用の資料によると、 少子化、高齢化などで、海外の人材を受け入れることがオウル市の経済活動を高める上で重要であるとし、駐在者が予定より早く帰国するケースの原因として、 約9割が家庭の事情によるものという調査結果を挙げつつ、早期帰国はオウル市にとっても企業にとっても、評判の低下・コストの増加につながるため、これを回避する支援が重要であるとしています。
ちなみにプロジェクトの資金負担は、
- 70% T&E Keskus (英語名: Employment and Economic Development Centre)
- 21% オウル市
- 9% 民間企業/研究機関 (Nokia, Microcell, Net Hawk, Polar, VTTなど)
となっており、各方面の連携の上で作られたプロジェクトであることがうかがえます。
また、念のため、’expatriate’は、辞書に倣って「駐在」と訳しましたが、私の知る限り、さまざまな境遇(フィンランド男性と結婚した/同居し ている、移民してきた等々)の外国人女性が支援を受けており、実際の内容からすると、「外国人居住者」のほうが近いかもしれません。
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